inmylifeiloveyoumore

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

わたしがまだ知らない世界はどうですか?

楽しい?お母さんとお父さん、お兄ちゃんには会えた?

わたしの想像するその世界は真っ白でふわふわで暖かい世界です。

変わらず、可愛い笑顔と優しくその広い心でみんなを包み込んでいますか?

わたしはもう少しその可愛い笑顔を見いていたかったし、その優しさに包まれていたかった。

 

小さい頃から爺と婆がだいすきで、初孫のわたしはとても甘やかされていたね。

保育園から車の免許を取るまで送り迎えはだいすきな爺の車。

たくさんの時間を一緒に過ごしたね。

家が近いから社会人になってもたくさん会いに行っていたし、

わたしの家族は他と比べると集まることが多かったよね。

家族で過ごす時間をこれほどまでに大切に思えているのは、

爺と婆が築いた空間が素晴らしいものだからだね。

家族のことを一番に考えてくれて、

本当にみんな爺のことがだいすきだよね。

 

沢山ね、素敵な思い出があるよ。

 

だけど、最近思い出す記憶に残っているあの日は

家族がみんな泣いていて、爺が話しかけても返事をしてくれないの。

 

救急車で運ばれたと連絡を受けた時世界の時間が止まったと思ったよ。

急いでいるのになかなか車が進まなくて、

婆から早くきてと電話があった時、手を握り締めすぎて爪が手に刺さったよ。

病院について、先生が爺の状態を話してくれた時はドラマかと思った。

二日ぶりにあった爺は必死に家族を待っていてくれていたね。

全部思い出すよ、電話が来た時の両親の表情も

婆の心細そうな声も、先生の言葉も、機械の音も、

泣いているのを見たことない伯父の涙も。

 

思い出せるけど、まだね夢ならいいなと思うよ。

あまり信じていないよ、信じたくないよ。

記憶に残らなくていいな、あの日は

できれば忘れたいし、思い出したくないよ。

だけど、だいすきな爺とのことを思い出すともれなくセットでついてくるし、

わたしのカメラロールは爺でいっぱいだから見るとまたあの記憶もセットだよ。

やになっちゃうね。

でも、爺のことこれからも沢山思い出すし、写真と動画で爺に沢山会いにいくよ。

 

うーん、だけどやっぱり寂しいから

わたしがその世界で爺に会えるのはまだ先だと思うし、

どうにかこうにか頑張って会いに来てください。

もう涙がすごいし、文章書けないので終わりにします。

 

これからもずっと愛し、尊敬し、感謝し続けます。

じい、だいすきだよ